虫のお話

仙台周辺の昆虫とか

モクメシャチホコ、オオルリハムシ

今日、久しぶりにオオルリハムシを見に行った。

自分よりも背が高いヨシを掻き分け進んでいくと、ようやく食草のシロネ群落を発見。ここでは10匹ほど見ることができた。

写真では輝きが伝わらないが、奥行きがある色だ。日本で一番美しい虫と言っても過言ではないと思う。

柳にはヤナギハムシが沢山いて、その幼虫を食べにカメノコテントウも集まっていた。

憧れのモクメシャチホコの幼虫を探したが、なかなか見つからない。強い日差しの中、諦めずに探していると漸く1匹発見。

その付近を念入りに探すと、幅1ミリくらいの孵化したばかりと思われる幼虫も発見した。とても小さいのに長い尾脚があり、ゆらゆらと威嚇する。おもちゃみたいだ。昆虫採集の秘訣は諦めないことだと思う。

この幼虫は終令になると奇抜な格好になるらしく、ずっと探してはいるが見つかるのは幼令の幼虫ばかり。今回、幼虫を2匹確保し育ててみることにした。ナカグロモクメシャチホコの幼虫と思われる。(後日追記。無事に終令幼虫を見ることができました)

この日見た虫↓

ムネアカアリバチ、クロスジギンヤンマ、ネアカヨシヤンマ等

 

 

虫の決断

大和町のブナ林を歩いていると、藪の向こうに湿地が見えた。オオハンミョウモドキが好きそうな環境だ。

どこから行こうかとルートを探していると獣道を発見。おそらくイノシシが泥浴びに通う道だろう。獣道はマダニが多そうだな…と思いつつ、湿地に向かうことにした。

湿地に到着。猪が泥浴びをした跡がある。クモの巣だらけにはなったが、幸いマダニは付いていない。

少し探すとオオハンミョウモドキを発見。追いかけながら観察していると水際に到達。オオハンミョウモドキは少し躊躇した後、水の中に飛び込んだ。まさか泳げるのかと思いきや、すぐに溺れている。可哀想なので直ちに救出。

もっといないかと探すと、もう一匹発見。これも追いかけていると、また水の中に飛び込み溺れている。

水際で一瞬躊躇するのは、一か八かで水の中に飛び込むか、それとも捕まるか、小さい昆虫も判断しているもいうことだろう。

このピンボケ写真は追い詰められたところ。この後、決死のダイブをする。

山ではアオバトコマドリが鳴いていてた。

ブナの倒木にキマワリの幼虫がいたので飼育しようと持ち帰ったがすぐ死んでしまった。

ユキグニコルリクワガタと熊

月山に行ってきた。

温泉や蕎麦を楽しみ、虫でも探そうと残雪残るブナ林を歩いてきた。

残雪と新緑を見ながらのんびりと歩いていると、ユキグニコルリクワガタの雄がいたので捕獲。

とても美しい虫だけど、深みのある輝きは写真や標本では伝わらない。新緑の森の中で実物を見て欲しい。

雌を探して沢の近くを歩いていると、沢を登ってきた熊にばったり出会った。

沢は雪解け水を集めて轟々と流れており、お互いの気配を完全にかき消していたようだ。

何度も熊には遭遇しているが、かなり大きな個体だ。

思わず「あ、熊だ。」と声を出してしまったが、熊は動じることも威嚇することもなく、私を一瞥して悠々と目の前を横切り森に消えていった。

15mほど距離があったとは言え、人に恐怖感を全く感じていないようだ。

私はかなり体が大きい方であるが、あの熊と素手で戦ったら瞬殺だろう。

ゆっくり後退りながら、いざというときはリュックを盾にアーミーナイフで反撃しようとか考えていたが、肩透かしを食らった。

アーミーナイフごときで何とかなるとは思えないが、かと言って大きなナイフや鉈を持ち歩くのも物騒だ。

来月は北海道に行くので、熊避けスプレーを携帯した方が良さそうだ。

クワコの擬態はハイレベル

クワコを飼育中。

小さい幼虫は鳥の糞に擬態している。

鳥の糞に擬態する虫は多いが、クワコの擬態はかなりレベルが高いと思う。

未消化の種子が残っているかのような模様と、フレッシュな糞を演出する艶。完璧だ。

同様に鳥糞に擬態するスカシカギバの幼虫はまだみたことがないので、いつか見てみたい。他のカギバガの幼虫も面白いので、いろいろな種類を見てみたい。

その後、鳥の糞から桑の枝にそっくりな姿に変身した。刺激を与えると眼状紋をアピールしてぷくりと丸く膨れ、それがゆるキャラのようにかわいい。蛇に見えなくもない。

そして本日、綺麗な黄金色の繭が出来ていた。

作っているところを見たかったのに、完全に見逃してしまった。

鳥の糞、桑の枝、蛇、色んな姿に変身するので見ていて飽きない。

無事に羽化してほしい。

キイロアシナガバチの女王蜂が

先月、近所の山にある切り株の隙間を覗くと、キイロアシナガバチの女王が走り出てきた。

刺されると思い身構えたが、女王は切り株に留まり威嚇するだけ。何か違和感を感じたのでよく見ると、腹部が無い。

出てくるときに引っかけて失ったのか、越冬中にトラブルがあったのか、とにかく可哀想。

しかし、お腹が無いのに素早く歩き回る。刺されることは無いと分かっていても、少し怖い。

昆虫すごい。

ハッカハムシの越冬

庭にミントが茂っていて、ハッカハムシが住んでいる。

冬は落ち葉の下やレンガの隙間にじっと隠れている姿が見られる。

我が家は仙台でも雪が積もるエリアなのに、深く潜ることもせず、葉っぱ1枚めくると簡単に見つかる。

これでは凍ってしまうと思われるが、凍らない体なのか、多少凍っても平気なのか。

調べてもよく分からず、自分で調べてみようかと思うが、凍らせたり体液を抜いたりしたら可哀想だから出来ない。

 

シロモンフサヤガ北上中?

見かけない蛾がいたので調べてみたら、シロモンフサヤガのようだ。

温暖化で宮城にも定着してるのかもしれない。幼虫は個性的なので見てみたい。

最近、生態系の変化を通して温暖化を実感する。

CO2も廃棄物も排出しているのは我々一人一人なんだけど、個人から出た後は急に地球規模の問題になるから、個人の責任が明確にならない。一人一人の意識で大きく変わるだろうけど、他人事になってしまう。

温暖化は100%悪い訳ではなく、一部メリットもあるのかもしれない。けど、憧れの虫が近所で見れるようになるのは少し嬉しいけど、それ以上に面白くない。

ご当地グルメも全国各地で食べれるようになったら、全然面白くない。