マレーシアや北海道の虫を標本にした。
ハムシ科等のある程度小さな甲虫は下記の手順で展足している。人によって方法は違うだろうけど、参考まで。
■準備するもの
・志賀昆虫00号の細い有頭針
・志賀昆虫1~3号等のやや太い有頭針
・コルク等の針がしっかり刺さる板
・台紙
・木工用ボンド
■手順
①死んでしまったら速やかに飼育ケースから取り出す
→腐ったり乾燥したりするとバラバラになる。すぐに標本製作が出来ない場合はタッパに入れて冷凍保存。
この時、ティッシュ等を敷いてあげると虫がタッパ内で転がらず、破損防止になる。
②虫をぬるま湯につけて洗浄&軟化
→長く水につけるとふやけてしまうのでほどほどに。30分くらいかな?
③板に2本の針をクロスさせて刺す。針の間に虫のお尻を合わせる
④頭を上から押さえつけるように針を1本指し、針3本で虫を固定する
→頭が小さい虫は手順③と同様に2本の針で頭を押さえることも。
⑤有頭針の頭で脚を引っ掛けて出す
→ピンセットを使用しても良い。小さい虫はピンセットで摘まんだだけで脚が切れることがあるので慎重に。
⑥出てきた脚を針で固定する
→大体、脚1本に針3~5本くらい
赤い点が針を刺す場所。こんなイメージで展足するが、脚の曲がり方に癖がある場合や、虫のサイズによって刺す場所や本数は変わる。
⑦全ての脚と触覚、アゴや羽を針で固定
→私は1匹あたり20分くらいかかる
・ハッカハムシ(道南タイプ)
※参考までに他にもいくつか事例紹介
・ダイコクコガネ
→大きい虫は針を刺して固定できるから上記①~④の手順が不要なので簡単
・カレハカマキリ、パリーフタマタクワガタ
・マレーシア産の極小カマキリモドキ
→これは羽を展翅テープで押さえている
⑧一月ほど乾燥させる
→私は大きなケースにドライペットを入れて乾燥している
⑨乾燥したら全ての針を抜く
→抜くときに針がたわみ、ピンッと跳ねて虫に当たると脚や触覚は簡単に破損してしまう。針は真っ直ぐ慎重に抜くこと。破損した場合は接着剤で補修。
⑩太めの針を刺した台紙にボンドを塗り虫を貼る
⑪ボンドが乾いたらラベルと一緒に標本箱に納める
標本製作は細かい作業なので疲れるが、虫の構造を知ることが出来て、色んな発見や気付きがある。
今回、キノハダカマキリの鎌は隙間無くぴったり閉じることができ、完全に木の肌に擬態できる構造だと気付いた。
鎌を拡げると普段見えない部分(二の腕)は木の模様が無いことが分かる。ロボットみたい。
下の写真は生きている時。