虫のお話

仙台周辺の昆虫とか

マレーシアで昆虫採集

久々にマレーシアに行ってきた。

ゲンティンハイランド、フレイザーヒル、キャメロンハイランドと主に高原を巡ってきた。

長期間借りれるレンタカーがなかなか見つからず、唯一空いていたパラダイスレンタカーという店を利用。相場よりは安いがマレーシア製の古い車。何とパワステがついていない!山道走るのにパワステが無いなんて…。

後から知ったがクチコミで酷評されている店だった。デポジットは間違いなく返金されず、整備不良で故障がとても多いそうだ。幸い、エンジントラブルもなく無事に帰ってこれたが、エアコンの効きが悪く車内は暑いし、車の故障を心配しながらの旅になった。

返却時にデポジットを返せと言ったら、3月末にクレジットカードで返金処理するとの一点張りで返すつもりは無さそう。皆さん、レンタカーは早めに押さえましょう。高くても安心できる会社で。

とにかく車を確保して重~いハンドルを切りながらゲンティンに到着。結構涼しいのでホテルのプールには誰も入っていない。カジノやホテルが乱立し、人も車も多いため虫は少ないが、ホテルの庭で蟻に擬態したカマキリを発見。その後も何匹か見かけたが、もれなく同じサイズの大きな蟻が住む木にいる。暫く観察したが、蟻もカマキリもお互いに襲うことは無さそうだ。どんな関係性なんだろう?

次はフレイザーヒルに向かう。途中、道路を横断しているギガスオオアリの兵隊アリを捕獲。アリとは思えない特大サイズ。大アゴと頭の形がカッコ良くてお尻の赤が綺麗。かなり嬉しい。死んだら赤いお尻が変色してしまった。

フレイザーヒルでは綺麗な植物をたくさん見ることが出来た。トレッキングコースも充実しており、野鳥の研究者達がいた。町までは一方通行の山道で、こんな奥深くに町があるのかと不安になるくらい自然度が高い。滞在中にガソリンが切れたので交番に相談したら、スモールショップでタンク売りしてるとのこと。価格は下界の倍だったが助かった。優しくて綺麗な女性警官だった。

ツヤクワガタの仲間やメンガタカブト、ダンゴムシヤスデが見れた。全体が保護区なので観察するだけ。虫の声がアラームのように煩くて夜はあまり眠れない。

写真はフレイザーヒルのシンボルとなっている時計台。小さいけどいい雰囲気。

フレイザーヒルから降りる道中、木の幹に大きくて綺麗なタマムシを発見。急いで8mの網を繰り出したが1mほど足らず、木に登ろうともがいている内に逃げてしまった。悲しい…。

次は昆虫の聖地と言われるキャメロンハイランド。現地の人が言うには、昔はかなり寒かったらしい。それが開発されてジャングルが無くなり、快適な気温になったんだとか。今も至る所で山を削りビニールハウスやアパートが作られていて、夜は山全体がハウスの明かりで光っている。さらに少し外れでは昆虫採集を生業にしているオランアスリ達がライトトラップを仕掛けている。ここでは自然保護という考えが無いようだ。昆虫は激減しているらしい。

街中は虫が少ないが、1時間ほど車を走らせて郊外に行けば虫は沢山いる。キノハダカマキリや小さなコノハカマキリ(コカマキリと同じくらい)を捕獲出来たのが嬉しかった。タイショウオサゾウムシ、アカエリトリバネアゲハやコーカサスオオカブト、パリーフタマタクワガタ等のマレーシアらしい虫も見れた。

有名な19マイルでも虫採りをしようとしたら、オランアスリが絡んでくる。一人はしつこく20RMちょうだいとか言ってくるから、無視して車に戻りバイバイ。虫を購入する人には良い場所かもしれないけど、採集するなら他に良い場所が沢山ある。個人的には二度といかない。

因みに虫を買う場合は、タナラタにいる中国人の昆虫プロバイダーが買い付けに来る前、朝方に訪れると良い虫が買えるとのこと。

コーカサスの交尾を観察してみた。無理矢理って感じで激しい。5分程で終了したので、意外と早い。こんなに見られていては落ち着いて出来ないんだろうけど。

ピンぼけだが、大好きなアオスソビキアゲハ。

紅茶畑も沢山。キャメロンバレーティー、BOHティーの畑を歩いた。

急斜面で茶葉を収穫している。皆、他の国から出稼ぎに来ている人だそうだ。畑の中にある居住スペースに住んでいる。

あとはスモークハウスで食べたり、モッシーフォレスト、ブリンチャン山とかにも行った。コケや着生植物だらけ。魅力的。

キャメロンハイランドではストロベリーパークホテルをメインに滞在した。その名前からは想像できないくらい良いホテルだった。部屋は広くて綺麗。朝食は毎日ほぼ固定だが美味しい。客層は欧米の方々ばかりで、リゾートホテルといった感じ。静かな環境でオススメです。虫好きの方には街からかなり離れてるけどレイクハウスもオススメ。

帰国するため泣く泣くホテルをチェックアウト。高原を後にしてクアラルンプールへ向かう。途中、セランゴール川沿いのホテルに泊まり蛍を見たが、ボルネオの方が桁違いに凄い。ボルネオは蛍以外にもテングザルとか鳥とか色々見れるし。ボート貸切りで100RMも払ったのに30分もしない内に終了。さらに蚊に刺されまくってめちゃくちゃ痒い。まぁ、そこそこ綺麗だったのでヨシとしよう。

レンタカーを返し、クアラルンプールで1泊。自分は都会ではあまりやることがない。屋台で食べたり買い物したり、マッサージに行ったりしてのんびり過ごす。世界で2番目に高いビルが不気味だった。

空港では飛行機の出発時間を勘違いしており、ボケッとしていたらボーディングタイムを数分オーバーしてしまった。懇願してゲートを通過させてもらったが、出国審査が激混みで出発時間目前に…。走ってマレーシア航空のゲートに向かうが、内心諦めていた。しかし、ゲートに着いたら沢山の人がダラダラしている。たまたま2時間ほど出発時刻が遅れたため間に合うという奇跡。慌てて損した。館内放送くらいしてくれれば良いのに(気づかなかった可能性もあるが)。後から気付いたがメールには遅延の連絡が入っていた。

次にマレーシアに行くときはフレイザーヒルとタマンネガラあたりに行こうと思う。

終わり