近所の公園(青葉区)でウシカメムシの幼虫を発見した。宮城では初めて見たと思う。これも温暖化の影響だろうか。
飼育してみよう。取り急ぎ、昆虫ゼリーとポカリスウェットを入れた。明日、植物を採ってきて入れてあげよう。
今週、鳥海山に2回登った。キツかった。
鉾立コースと祓川コース。
鉾立は草原が広がり雄大な景観を堪能でき、変化に富んで気持ちいい。鳥海湖付近は残念ながら雲に覆われていた。
祓川は鉾立と違い荒々しく、低木が生い茂る。特に康新道を経由すると、うねうねと山体崩壊した崖沿いを歩くので、絶景ではあるが油断すると滑落するので注意が必要。道中、虫や花を見る余裕はあまりない。山頂でのんびりしてたら下山開始が15:30と遅くなってしまった。17:30に無事下山したが、登山道はかなり薄暗くなっていた。振り返ると夕陽に照らされた山が綺麗だった。
山は秋の空気。夏の虫もまだいるが、数が少ない。鉾立側はベニヒカゲが沢山舞っていた。キアゲハやアサギマダラも多い。なぜか8合目付近の岩場にミヤマクワガタがいたが、風で飛ばされたのだろう。アラコガネコメツキでもいないかと探したが、1匹も見ることができなかった。9月になると姿を消してしまうのかも。
祓川側はベニヒカゲがいない。その代わりギンボシヒョウモンが多い印象。チョウカイアザミがまだ沢山咲いているが、綿毛を飛ばしているものも多い。このアザミは何故か花を下に向ける。特定の花粉媒介者がいるのかと思い観察してみたが、ハチや蝶が来るくらい。逆さまに花にぶら下がり辛そうだった。青いコシロコブゾウムシも見ることができた。鳥海山や月山のものは青くなり美しく、見つけるとかなり嬉しい。緑が強いミヤマハンミョウもいた。
登山中、岩場に見たことの無い可愛い白い花がたくさんあった。後から調べると、チョウカイフスマという鳥海山の固有種とのこと。小さくて葉も綺麗、完璧だ。
道にコカマキリがいたが逃げる様子がない。
よく見ると頭がなく、自らの鎌でその頭を持ってぶら下げている。首から離れた頭が神経節と思われる紐状のもので繋がっているようだ。
そこは換気口の真下で風が強く、頭が無いにもかかわらず飛ばされないように踏ん張っている。手に持った頭は風でブランブランと揺れ、翅は捲れ上がりかなり痛々しい。
体に触れてみるとゆっくりと歩く。まだ生きている。
その後、気になったので何回か様子を見に行った。1時間後、まだ踏ん張っている。2時間後には体を支えられずに横たわっていた。そして、寝ながら体の向きを変え、完全に動かなくなった。
なぜそんなことになったのか。鎌で触角や頭の手入れをしていたら、排気口の風に煽られて力が入り首を刈り取ってしまったのかもしれない。
それか、どこかに引っ掻けて頭が抜けたので、仕方なく鎌で頭を持っているのかも…。
昆虫の生命力にはいつも驚かされる。
東京の友人と飲み、その翌日は一緒に高尾山に行った。
モミの立枯れがあるとアオタマムシを探してしまう。下に降りてきた所を素手で捕獲。
倒木にキノコがあればキノコムシやゴミダマを探してしまう。オオモンキゴミムシダマシがいた。綺麗な虫だ。
カラムシの群落があるとラミーカミキリを探してしまう。最近、八王子周辺に定着したらしい。たくさん確認できた。
ベンチにスミナガシがいれば座ることが出来ずに観察してしまう。素晴らしい模様だ。
モンキアゲハとアカボシゴマダラがたくさん舞っていた。アカボシゴマダラを手に乗せて汗を吸わせていたら、すれ違った年配の女性から驚かれた。赤い模様が綺麗ねと言われたので、外来種だと返事をした。
オオゴキブリも多かった。宮城ではなかなか見れない虫なのでうれしい。翅がボロボロなのはコロニーで仲間に齧られるためらしい。おいしいのかな。それかスキンシップなのか。非常食として食べるのか、おやつなのか。
空を見上げるとヤマトタマムシがたくさん翔んでいた。道端にチビタマムシの仲間がいたので捕獲。似てる仲間が多く、調べるのは大変そうだ。
虫を探す度に友人を待たせてしまった。
山形に行ってきた。
オオサルハムシを探しに生息地に行ったが、全くいない。湿地の上流で植樹イベントがあったようで、大きな木は倒されて更地になり、代わりに様々な苗木が植えられていた。立派な植樹イベントの看板はあるが、苗木は植えっぱなしで弱っていたり枯れていたり。苗木よりも草が生い茂る荒地と言う雰囲気に変わっていた。
以前はここにカモメヅルがたくさん生えていて、オオサルハムシが住んでいた。カモメヅルは雑草だからと取り除かれ、見栄えが良い木々が植えられる。そして植樹しただけで自然保護や自然に触れたつもりになる人々。ここはどんな所だったのか、ちゃんと調べて考えてほしい。
周辺の湿地も探したが、残念ながらオオサルハムシは発見出来なかった。ハッチョウトンボが舞っていたけど、この小さくて綺麗なトンボもどんどん減っている。
大きな熊が目の前に飛び出してきてそのまま走って通過。多分、こちらに気付いていなかったようだ。最近、熊の事故が多い。気を付けないと。
昔、アカエリトリバネアゲハの標本をもらったことがある。
この蝶は生息地で何度も観察してきたが、前翅と後翅を広げているのを見たことが無い。飛んでいる時も、少し羽ばたいては翅を水平に伸ばしスイスイと滑空する。日本の蝶に例えるとミスジチョウの飛び方に近い。
そして、その前後の翅を重ねた姿が一番カッコ良くて美しい。しかし、一般的に展翅を行う際は翅を大きく広げるため、生前の姿と全く異なる上に美しくない。別の種類かというくらいに印象が違う。標本を見る度に違和感を感じてきた。
なので、前後の翅を重ねて展翅してみた。筆でちょんちょんと緑色を置いていったような模様が一列に並び綺麗だし、まるで生きているみたい。展翅も簡単だし一石二鳥。
子供の時から憧れ、今までに何度も観察してきた蝶だ。この横長の形こそがアカエリトリバネアゲハ。